仕事を持つママたちへ

ダイバーシティ案件を扱っている弊社では、クライアント様の女性活躍推進関連のプロジェクトにかかわる機会も多いものです。
その中で、最近少し様子が変わってきたな…と思うことがあります。

女性としての権利を主張し過ぎ
自分で頑張るという力が入りすぎ
という傾向が顕著になっていているのです。

前者は、ともするとわがまま・自己中心。
妊娠や育児など、女性ならではのライフイベントを持ち出して、
自分のとって面倒なことはかかわらないように潜り抜けようとしている感もあります。

後者は、とにかく抱え込み過ぎ。
同僚・部下・後輩・上司・関連部署とうまく立ち回れずに、
自滅気味だけではなく、周囲も思わぬ余波に巻き込まれそうです。

いづれも、自分の立ち位置の範囲内でのみ、物事を捉えているように思います。
私の過去を振り返ると、後者に当てはまるな…
私は仕事を辞めていた時期がなく、20年以上前の妊娠・出産でしたから、
育休という概念は皆無で、産休のみで職場復帰しました。当時社内初でした。
がむしゃらに頑張りましたよ。相当周りをかき回したかもしれません。

仕事と育児の両立は大変です。
だからこそ、周囲との関係が重要です。
あまりに、権利を主張していると、煙たがられてしまい、
自分のキャリアにつながるはずの仕事にかかわらなまま時間だけが過ぎていくかもしれません。
あまりに抱え込んでいると、オーバーフローどころか、心身にも不健康、
それでは、自分らしく進化するチャンスが遠のいてしまうかもしれません。

懐深く、肩ひじ張らずに、おおらかにいきましょう。
自分の立ち位置も大事ですが、状況、役割、職場の人たち、活用できる制度・施策、もちろん家族・友人も含め、
視界を広げていきましょう。
ちなみに、私は妊娠が判明した時、安定期に入るまで、当時の上司の男性部長に黙っていました。
意を決して、仕事を続けたいことも含めて話をしたら、
「なんでもっと早く言わなかったんだ!
仕事を続けるために、関係者含めたくさん相談や調整をしたいのに、結構時間が限られているじゃないか」
と言われました。
私も、自分の立ち位置で、「落ち着くまで言わない方がいい」のただ1点で判断していたのです。
もっと早く話していたら、いろいろな調整ができ、社内で今後に向けての前例を作り
ロールモデル化もでき、未来の女性総合職への道筋のひとつが描けたのです。
上司や関連部署、会社、後に続く後輩たちのことなど、何も考えていなかった私が恥ずかしかったです。

今、安倍首相も女性の活用を謳っていますね。
仕事を持つママたち、安倍さんの気負いに踊らされ過ぎず、
懐深く、肩ひじ張らずに、おおらかにいきましょう(^_-)-☆

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2013. 06. 28

DJポリス-同じ土俵でのメッセージは強い

少し前、サッカー日本代表が、ワールドカップ出場を決めた夜の
渋谷スクランブル交差点での警察官のアナウンスが話題になりました。
DJポリスと名され、警視総監賞も授与されたのですよね。

遅すぎますよ、と言いたいくらいですが、
ようやく警察も彼のようなアプローチでのアナウンスを取り入れるようになってきた
のことは
素直に良しとしましょう。

「皆さんは12人目の選手です」
「おまわりさんも嬉しいのです」
彼のアナウンスが通じたのは、なんといっても、
渋谷で歓喜する若者たちと“同じ土俵でのメッセージ”だったから。
その上で、すべての言葉がわかりやすい表現でした。

人を動かすには、敵対・自己・利己モードは、
ガツンと進めていても、相手との温度差が生じ、結局遠回りになることも多いもので
す。
逆に、相手の懐に入り込むことと相手を引き寄せる自分の懐の深さをもって進めると
思いのほか、スムーズに展開することも多いものです。
もちろん、それは相手にへつらったり、相手をおだて上げるということではありませ
ん。

かつて、私のネゴシエーション研修では
小泉政権時代、北朝鮮拉致被害者帰国に立ち会った中山恭子内閣官房参与(当時)を
タフネゴシエーターのモデルとして挙げていた時期がありました。
中山さんの穏やかな物腰と語り口の奥に秘められた芯の強さは、
ズバリ相手の懐に入り込むことと相手を引き寄せる懐の深さを併せ持っています。

ビジネス、人間関係、様々な場面で
相手の懐に入り込むことと相手を引き寄せる懐の深さを持ち合わせていると
それは武器になりますし、今や当たり前のことになりつつあるはずなのに、
DJポリスのおまわりさんが注目されるということは、実践できていない日常が相当多
いのかもしれません。
せっかく注目されたのですから、官民問わず、あらゆる立場の方たちが、いろいろな
場で活用できるひとつの指標にしてほしいです。
シンプルに“同じ土俵でのメッセージ”を!

2013. 06. 16